モップガール

著:加藤実秋 画:カネコアツシ 小学館*1

自分の隠れた才能を探し求め、数々のバイトを試しては挫折する桃子の次の仕事は、事故に自殺に殺人に、ワケアリ物件何でも来いの掃除屋で――どうにも気にかかるダイイングメッセージのサスペンス。
ヒロイン桃子は、自分探しとか青い鳥症候群とか、それでフリーターはヤバいぞ、と忠告したくなる状況なんですが、この仕事で発現される彼女の真の才能が、彼女が望んでいたのとは丸っきり違う方向なのが何とも皮肉。
第1話では映像がダイイングメッセージの決め手になり、未来がちょっとだけ見えるけど真相は藪の中の『幽霊には微笑みを、生者には花束を』(飛田甲) *2に似た展開。
その後の第2話は、こういう手があったか! なるほどの爆笑。売れない役者をやりつつ清掃会社に勤める大河内の、次の舞台の役作りが伏線になっているのも楽しい。
読み始めた後で『タモリ倶楽部』の時間帯に喰い込むことがあるドラマ*3の原作だと気付いたんですが、TVの方は「遺品に触れると時間を遡る超能力」なので、本作とは大分趣きが違います。ドラマの内容は気にせずにどうぞ。

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