ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険 2

頭の栄養《本》ばかりで体の栄養《食》はなおざりな主人タバサの態度に、まだまだ食い意地の幼い風韻竜シルフィードは、使い魔ながらも不平不満で――苛烈な取扱いにもクールに対応の寡黙系ヒロイン短篇集。
シルフィードが前巻*2以上に暴走気味で、世の煩悩、主に食い気を象徴する行動に爆走する様が楽しい。老荘思想の柔弱謙下に通じる淡々としたタバサの良い引き立て役になっています。
食堂に寄ろうと主張するシルフィードが無茶苦茶な服を着て出掛けても、それに動じないで一旦は放っておくタバサの態度を見ていると、『花冠の竜の国』シリーズ(中山星香) *3エスターの冷静さを誇張してタバサに与え、リゾレットの幼さを誇張してシルフィードに与えたような感じ。二人の関係を恋人じゃなくて主従にしただけで、展開に差が出てくるところが面白い。
祖国の苛烈な取扱いにも無為自然で受け流すタバサは、現在の境遇にも特に不満がなさそうなんですが、果たして今後どうなるのか。

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