レヴィアタンの恋人II

ウィルス汚染の惨禍を、自身のDNAを変現させることで生き延びた《特進種》の久坂ユーキは、刃を交えることが切っ掛けで拾った異能の少年タマが気になって――異形の強者どもの、幻想と退廃の戦記。
共食いをすることで相手の能力を自身のものとする異能の怪物デーモンが登場する『真・デビルマン』(永井泰宇) *2 *3 *4 *5もそうですが、異能者同士、怪物同士の戦闘シーンがエロとグロとバイオレンスで激しく退廃的なだけに、彼らが彼らなりに穏やかに暮らす《日常》が光ります。
互いに気になるのに、その感情をうまく認めることができないユーキとタマは、恋愛という点では、まだまだ子供というかガキというか、『いぬかみっ!』(有沢まみず) *6の啓太とようこの関係を第2次性徴以前に戻した感じというか。
前巻*7では、現在とタマの過去が、今巻では現在とユーキ過去が、それぞれ章ごとに交互に描かれる構成でしたが、次巻は誰をメインに据えるのか、そこが楽しみ。

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