きみと歩くひだまりを

天然おっとり系の幼馴染 ひなたとともに、妖獣と戦う《獣殺士》を目指す星也は、危機一髪のところで猫目の美少女 美月に助けられ――ふたりの少女との別れと出会いの相棒譚。
どことなく、『ひと夏の経験値』(火浦功) *2 *3をシリアスにしたような世界観。キャラ配置も、能天気娘のりこはひなた、彼女の面倒を見る修理は星也、クールな業師真琴は美月、と完全に対応が取れています。シリアスだけに、今巻では、ボケ担当の銀河に相当する男キャラは出てきません。
星也は、面倒見はいいけれど、性格の良い修理とは違って、自信持ち過ぎのマッチョ系嫌な奴。守ってやる相手だったひなたにも差を付けられ、と、美月の力にすっかり凹まされ、ドン底に陥っても、甘えるな!と感じるばかりで、あまり同情できません。
両親を亡くしたせいか、星也はひなたと別居半同棲状態、朝は起こしに行き、御飯も作ってあげる、という状況で、彼の料理の腕前がちょびっと披露されるところは好印象なんですが、美月との関係では、「あんパンは漉し餡か粒餡か」を主張されて今巻は終わり。
弁当を作ってあげることで女の子を餌付けしてしまう『とらいあんぐるハート』(ivory) *4のように、次巻では、彼の残した弁当のこの味は何――で無くした記憶がよみがえる的展開だといいな。

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