人類は衰退しました 2

著:田中ロミオ 画:山崎透 小学館ガガガ文庫*1

ちびでのろまで忘れっぽくてどんな道具も作るけどお菓子は作れない妖精さんの不思議な道具に囲まれて妖精調停官のわたしは平穏有事の日々――こんな衰退も悪くない、まったりゆったりSF。
いきなり『冒険者たち』(斎藤惇夫) *2へのオマージュから始まる第1話「人間さんの、じゃくにくきょうしょく」ですが、途中から『アルジャーノンに花束を』(キイス) *3や『ブレインストーム』*4っぽく、息をもつかせぬ急展開。
第2話「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」は、といえば、『銀の三角』(萩尾望都) *5とか「雷たちの饗宴」/『夢の涯』(ろくごまるに) *6とかの盛沢山の楽しさといったらいいでしょうか。
話の傾向も設定もまったりゆったりあっさり系のはずで、しかも2話しかないのに、何故か濃厚な印象が残る不思議素敵な作品集です。お薦め。

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