生徒会の一存

美少女が集う生徒会に入るべく勉学にいそしみ、見事副会長の座を射止めた杉村鍵は、今日も少女全員を幸せにするため、ハーレム形成を目指すが――ゆるすぎる会話コメディ短篇連作集。
本作の特徴は、舞台が生徒会室の中だけ、生徒会メンバーの5人の会話だけで話が進む原則を採用しているところにあります。新井素子漫画家を諦めた理由、プロットを作ると、喫茶店の中でひたすら会話するだけの絵にならないものばかりになってしまう、なんてエピソードをちょっと思い出しました。そういう点では、ラジオ向きかも。
鍵はハーレムを作ると宣言はしていますが、別段ガっついているわけではなく、ある意味で、和樹の淡白さで女の子との等距離外交をしている『まぶらほ』(築地俊彦) *2と似たような構造に。皆に僕を好きになってもらう、のではなくて、僕は皆が好きだから、皆に幸せになってもらいたい、と、奉仕の方向が男から女に向いているからかもしれません。
次巻も生徒会室の中だけを舞台に、新キャラなしを希望。『らき☆すた』(美水かがみ) *3 *4が好きな方にお薦め。

><