さよならピアノソナタ 2

クラスの女子にナオくんと呼ばれる彼

天才ピアニスト真冬をギタリストとして迎えることに成功した民族音楽研究部の夏の合宿は海。反対する彼女の父を説得すべく、部長響子の策略が――恋と革命の天才劣等感音楽ストーリー。
先日読んだ『桃山ビート・トライブ』(天野純希) *2と同じく、やってこないメンバーを迎えに行く展開が今巻のクライマックス。ライブハウスで皆が帰ってくるのを待ちながら一人ドラムを叩く千晶の汗が目に沁みます。
男女ともに奏者の音楽ストーリーというと、天才が凡才の優しさに救われる『パルティータ』(竹坂かほり) *3 *4、天才が原石を磨き上げる『富士見二丁目交響楽団』シリーズ (秋月こお) *5など、才に恵まれた側が優位にことを運ぶのが一つの定番。一方本作の場合、音楽の才で劣る直巳が天才 真冬をドライブする展開になってます。二人の間の上下関係が音楽と恋とで逆転しているところが妙なるかな。
定番に戻って直巳がベーシストとして悩む展開になるのも良し、女三人が彼を下僕にする展開になるのも良し、次巻が楽しみなお薦め。

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