ねくろま 4。

脱ぎすぎても芋粥
著:平坂読 画:じろう MF文庫J*1

副会長職のリコール請求に乗じて生徒会から足抜けしようとするソリスは、解職の是非を問う選挙に向け、自らの評判を下げるべく奔走するが――眉目秀麗優等生キャラを維持するに疲れた鬱憤コメディ。
親が経営する医院も医学部に入るだけの頭の良さもあるのに、実は血を見るのが恐くて医者になりたくない、でもその理由は恥ずかしくて言えない、苦悩する跡継ぎの長男、といった立場のソリス。確かに鬱憤がたまる状況なんですが、それを晴らすための悪業三昧があまりに《陽性》で素敵過ぎ。
自分の外面を作ることに慣れて、それが日常になってしまうと、別の人格を演じ始める当初は恥ずかしさが先に立つけれど、新たな人格を演じることにスムースに移行できるのかもしれません。
一糸もまとわぬ美少女、と期待させておきながらの本シリーズ、《健康的な笑い》を追求しています。サービスカットと呼ばれるべきシーンの数々も、『芋粥』(芥川龍之介) *2の朝飯のシーンにも似て、笑いしか出てきません。
一糸どころか肉もまとわず骨だけの美少女ヒロイン、マシロの姉キャラ系の突込みも楽しい一冊です。

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