ダブルブリッド X

これは たったそれだけだった それだけじゃなかった ちとにくとほねのものがたり ― ダブルブ

アヤカシ 優樹と共に警察で同僚として働いた太一朗は、アヤカシを殺す《童子斬り》に取り憑かれるものの、優樹を斬ろうとはせずひたすらに殴り続け――血と肉と骨の物語の終焉。
淡々と缶ビールを空けていく白髪の小さな女性 優樹の中途半端な表情ばかりが心に浮かぶ今巻は、最期を悟った生き物がどのように姿を隠すか、を模索する話だったのかも知れません。
姿を見せなくなる猫、仲間の骨や牙が散らばる墓場に向かう象。キマイラである晃やアヤカシである優樹は、どういう死に場所をどこに選ぶのか。
死に向かう優樹とそれを見送る太一朗が見せる《納得》は、互いの血と肉がぶつかり合い、殴り合っての結果であるせいか、いわゆる難病モノとは違った味わい。
とにもかくにも、4年半の歳月を待っての完結は私にとっても紛れもない《ハッピーエンド》でした。

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