ドラモンド家の花嫁 (1) 王宮は陰謀だらけ

料理人が逃げ出すと飢え死にするような奴に領主は無理

呪われた家として怖れられていたドラモンド家がメイドとして雇った空腹行き倒れのジャスミンは、自分が望むものを嗅ぎ分ける、驚異の能力を持っていて――決して財産を盗まれない《呪い》を巡るコミカルファンタジー
当主アルトゥースの趣味が料理、と、おさんどん少年支援派の私にはどんぴしゃの本作、心に染み入る和食ではなく、どこか余所行きの気取った洋食中心のメニューが、ファンタジーっぽさを彩っています。
アルトゥースの財産目当てで国王が養女にしたコーデリアは、『よかったり悪かったりする魔女』(野梨原花南) *2の公爵夫人カデットにも見られるような、落ち込みから復活までの早さ、生きる図太さたくましたを持っていて好み。
ファンタジー世界のメニューで、日本人のソウルフードでもあるような食べ物って何かないかな、そんなのことを思わせる一冊でした。

><