片手間ヒロイズム

クラインの壺で資本と貨幣は循環するか

夫と赤ん坊を残したままインドに失踪した従姉妹のかわりにベビーシッターをすることになった真理の新生活は、少し不思議な現象がそこかしこで――こぶつき男に恋する女子高生のドタバタSF短篇集。
インドへ向かったのは地球を救うための仲間を探しに行くため、ということで、新婚生活を送っているはずの娘がゲリラを率いて日本に帰国する『奥様はマジ』(火浦功) *2を思い出しつつ読み始めました。
残念ながら完結してしまった『食卓にビールを』(小林めぐみ) *3シリーズでは、のほほんとしたある種枯れた夫婦生活と高校生活のギャップが楽しかったんですが、本作、語り口は基本ですます調にかわっているものの、雰囲気が何だかほとんど変わりません。
ちょうど、竹本泉が各所で発行し続けている短篇漫画集『○○ものシリーズ』*4シリーズ(?)を続けて読んでいるかのような印象。男女の仲は悪くはないけど、色っぽい展開には全然ならないところも似ています。
この調子で末永く続くことを希望。『食卓〜』が好きな方なら、是非お薦め。

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