冥王星パーティ
やらなきゃよかった、反ポリアンナ症候群
エロ系セルフポートレートサイトに綴られた日記に、高校時代に付き合いかけた翔子の姿を見た衛は、彼女のそれから今までが気になって――男で間違えてしまう女の迷走青春小説。
衛との交際から始まる翔子の男遍歴(?)が順次綴られる構成の本作、そこかしこで、男側が妄想を膨らませてしまい、翔子がそれにヒいてしまうシーンで、「あの頃の忘れたい自分を思い出させないで!」感で読んでいるこちらの体温が上昇してしまいます。
同じく読んでいて体温上昇系の『四畳半神話大系』(森見登美彦) *2ではどの道を選んでも結局は不本意、もう笑うしかない苦さ感が漂いますが、本作の読後感は不思議に爽やか。
個別に見れば、イタい男とイタい女の連作集になってはいるんですが、本作の場合、かつての選択を過去の事として消化しようとしているからかも。
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