オオカミさんと長ブーツを履いたアニキな猫

おやおや おおかみさん、今日はどちらへ?
著:沖田雅 画:うなじ 電撃文庫*1

目つきがキツい暴力女と認識されている「おおかみ」さんこと涼子は、突然発生した男子からの生温かい視線に気付き、腹黒ロリ美少女の親友「りんご」さんに相談するが――エモーショナルな語り口コメディ。
本作の地の文は、いわゆる神視点・三人称で綴られているんですが、客観的描写は「だ・である」体、《神》である語り手の感情的描写は「です・ます」体に使い分けられているようです。シリーズ当初から読み続けたせいか、このリズムが気持ち良くなってきました。
どこかで聞いたような気がする「です・ます」体の文体、『ぶらり途中下車の旅』(阿藤快) *2における滝口順平のナレーションである、と気付きました。なるほど懐しいわけです。
今巻では、かぶっていた猫を無理矢理剥されて腹癒せを図る宇佐見美々の活躍が見処。次巻以降でも見せ場が出てきそうなので、楽しみです。

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