PSYCHE プシュケ

不知周之夢為胡蝶与、胡蝶之夢為周与。

事故で死んだ家族の姿が見える僕は、家で絵を描く毎日。時折訪れる従妹の藍子には彼らの姿は見えず――モルフォ蝶が誘う腐りかけの匂い譚。
ヒロインが被害者に触れるラストシーンが印象的な土曜ワイド劇場『原色の蝶は見ていた・死のにおい』(由美かおる) *2とか、鳥除け目玉が怖い『よつばと!』(あずまきよひこ) *3と同じく、本作でも、目玉印の蝶が重要なキーになっています。
serial experiments lain*4 *5のような、普通の家や学校を舞台にしつつ、何かが少しだけ違う居心地の悪さが印象的。藍子の兄にして《僕》の従兄である駿兄との「哲学的ゾンビ」を巡る会話は、『CROSS†CHANNEL*6における「観測問題」のような位置付け。地の描写が殆どないところは、どことなくギャルゲーの3行メッセージ的な感じ。
蝶が《入口》となって《僕》の気持ち悪い中身が曝け出される本作の構造から、蝶の幼虫である芋虫が嫌われるのは、その形や動きが人の内臓に似ているからかも、なんてことを思いました。

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