さよならピアノソナタ 3

刺身丼ならアツアツ御飯に炙りマグロ*1

真冬との距離が近付いたナオの前に、かつて彼女と共演した美少年天才バイオリニスト ユーリが現れ、彼女を渡さないための交換条件を提示するが――恋のレヴォリューション協奏曲。
鈍感な少年ナオをめぐる真冬、千晶、響子の恋の鞘当てに新キャラ ユーリの登場で事態が動く今巻。『僕と、僕らの夏』(Light) *3では、幼馴染み同士の貴理♀と恭生♂の仲をさいて、貴理の心を手に入れんとする有夏♀が、恭生に捨て身の攻撃を仕掛けて、ミイラ取りがミイラになったりしますが、本作では、真冬♀の幼馴染みユーリ♂が真冬の心を手に入れんとナオ♂に捨て身の攻撃。前半から中盤では二人の仲が急接近で、ユーリとナオのBL展開も悪くない、なんて感じます。
ピアニスト真冬とその父で指揮者のエビチリの関係を見てると、『ディ・カデンツ』(竹坂かほり) *4や『パルティータ』(竹坂かほり) *5 *6の一宮家の父と息子の関係を思い出します。おそらくはナオも、父と同じく音楽評論家の道を進むであろうことを考えると、本作は、普通の学園モノをよそおった世襲セレブもの、といえるのかも。
とすると、普通の学園モノとしての基盤を固める学級委員 寺田さんとその下僕たるクラスメイトの活躍は、ますます重要。音楽祭に文化祭と、仲が良すぎるクラスの活躍が嬉しい一冊です。

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