ウェスタディアの双星 3 世を忍ぶ将軍漫遊記の章

手加減されて負けるのと徹底的に負けるのと

帝国の目論見をアルファーニの智謀とバドエルの用兵で躱した緩衝地帯の小国ウェスタディアだが、未だ地方を掌握しきれず、海賊の襲来に――ここは銀河海面か上下はあるか、の戦艦モノ。
隣国からの侵略を描く第1巻*2では女王ルシリアと宰相チェザーリの仲が接近し、隣国の親玉である帝国からの侵略を描く第2巻*3では艦隊を率いるお嬢ローゼにアルファーニが押しまくられ、と、1巻1組カップル双星が出来る本シリーズ。前巻までのバドエルは民間人にちょっと気があったようで、その仲が進むのかな、と思っていたんですが、今巻のヒロインは地方貴族の娘ルチーナでした。
舞台設定は『無責任艦長タイラー』(吉岡平) *4や『銀河英雄伝説』(田中芳樹) *5、『でたまか』(鷹見一幸) *6と同趣向ですが、一人だけで背負い込むのではなく必ず二人の協力の図式に落とし込む展開が新鮮です。
お嬢ローゼのキャラが立ち過ぎてるようなので、次巻ではルシリアの活躍に期待。甘いスペオペに『六韜三略*7風味、「コンスコン強襲」*8系展開が好きな方にお薦め。

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