ラノベ部

台湾では軽小説ではなく浮文字というらしい
著:平坂読 画:よう太 MF文庫J*1

苦手な国語を克服すべく文芸部入部を希望した文香だったが、部そのものが存在せず、かわりに軽小説部に入部することになり――まったり部室会話の全17篇掌篇集。
文香が初めてライトノベルに出会う第1話「暫定的プロローグ~ラノベ部、はじめました~」は、眠るのを忘れて読み耽ってしまうシーンに共感。初めてのジャンルでも、適切な《推薦図書》を紹介されると、こういう状態になります。
ホモ好き 綾や隠れた才能 暦のように、かなりはまっている登場人物もいるのですが、それでも、ラノベに はまりきっているわけではなく、対象との適当な距離を保っている印象があるところがいいかも。部長 美咲が同級生に恋をする「コイバナ」にも、ちょっと本好き、という、普通っぽい感じがあります。
SF好きのSFに対する作中語りが濃厚な『サマー・タイム・トラベラー』(新城カズマ) *2 *3とは対照的な、ライトノベルにふさわしい《軽い》会話の一冊。

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