週刊文春ミステリーベスト10(2008年) vs このミステリーがすごい!2008年版

ベスト10番組主題歌がベスト10にランクイン

ベスト10のうち9作まで重なってしまった今年の『このミス』と『文ベス』*3ですが、昨年同様、今年もこの2つを比較してみましょう。
前回は、文ミス得点をこのミス得点で割り算した《文春度》という指標を使いましたが、今年は、本ベス vs このミス 2009と同様に、散布図を描いてみました。横軸は『このミス』得点、縦軸は『文ミス』の得点で、文ミスベスト10作をプロットしています。

こうやって見ると、本ベス vs このミス 2009とは大分様相が違います。
何といっても目立つのは、『告白』(湊かなえ) *4と『聖女の救済』(東野圭吾) *5の位置。『文ミス』1位の『告白』の位置が特異なのは、順位から考えて納得なのですが、このように図示してしまうと、『文ミス』での『聖女の救済』評価が突出して高いことがはっきりわかります。
そういえば、昨年の分析で《文春度》が高かったのは、『楽園』(宮部みゆき) *6 *7でした。『聖女の救済』との共通点は――
両方とも文藝春秋刊行ということ、ですね。
透けて見えちゃう選者の嗜好が、何だかちょっと微笑ましい。文藝春秋刊行の本が、来年『文ミス』でどう評価されるのか、今から楽しみです。

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