さよならピアノソナタ 4

逃げろ直巳、逃げろ光彦、遁げろ家康

真冬の誕生日に贈るプレゼントの相談を千晶にすれば罵しられ、神楽坂には大胆に迫られ、真冬をクリスマスに誘おうと思えば――ナオの優柔不断はどこまで貫けるのか、革命音楽ラブストーリー完結篇。
真冬、千晶、神楽坂の3人から恋慕われているのに、まったく気付かないナオなんですが、ここまで来ると、鈍感というだけでは済まされない何かを感じます。もっとも、諸方面に対するお詫びの境地に達してしまうと、話は終わってしまうんですけど。
天才バイオリニスト由布と凡庸なピアニストまりあの恋、待つ女と待たせる男を描く『パルティータ』(竹坂かほり) *2 *3とは、男女の役割が入れ替わっている感のある本シリーズ、ナオの優柔不断と行動しなさ加減は、ラストギリギリまで一本筋が通っちゃってます。ここまでくるといっそ清々しい。
シリーズ途中で登場する新キャラには無理を感じることが多いんですが、本シリーズのユーリは、女の子的スタンスでナオのことを好きになりつつも、男の子としての地位も確保していて、ものすごく好み。
日本人女性に日本語を習った外国人男性は、オカマ言葉になることが多いようですが、女の子言葉を真冬に習ったユーリの「○○なの」喋りは、彼の《美少女》ぶりと絶妙にマッチしています。
ナオのことを健気に心配するユーリの姿を見ていると好感度急上昇で、ユーリと親友(BL?)エンドも悪くない、なんて思ってしまうぐらいでした。お薦め。

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