このマンガがすごい! 2009 vs ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2008

このマンガがすごい! 2009 ダヴィンチ 2009/01月号

この日記では、宝島社の『この○○がすごい!』のランキングを他社のランキングと比較したり、票数と得点の分布の差を分析してみたり、1位入賞作品だけじゃなくて、ランキングのデータを色々料理する試みをしています。
折しも、

聖☆おにいさん(1) (モーニング KC)
  • 選ばれしマンガ読み79人*3が、男向け・女向けを各6作選び、1位10点〜6位6点で重み付けして得点を決める 『このマンガがすごい! 2009』
  • アンケート会員、書店、文筆家、読者合わせて4598人(集合知!)が投票した 「ダ・ヴィンチ」BOOK OF THE YEAR 2008

の2つで、『聖☆おにいさん』(中村光) *4が同時に1位になりました。

で、『このマ』制作者・読者層はちょっとサブカルっぽくて、「ダヴ」制作者・読者層はスイーツ(笑)からちょっと腐女子に寄ってもOK、っていうのが私の印象。
果たして投票結果に、それがあらわれているのか。私の印象は正しいのか。
それから、4598人 vs 79人、比率58倍の圧倒的な人数差でどれだけ違いが出てくるのか。
このライトノベルがすごい!』『このミステリーがすごい!』に引き続き、早速調べてみました。
両方のランキングに登場した作品は、全12作。まず、『このマ』と「ダヴ」の得点分布を散布図にして見てみましょう。横軸は『このマ』の得点、縦軸は「ダヴ」の得点です。
これを見ると、『聖☆〜』は孤高に位置を占めており、両ランキングで圧倒的な人気を集めたことがわかります。各作品の得点には正の相関がありますが、分布には結構バラつきがあります。
そこでこのグラフに対して、原点を中心に回転・拡大・縮小・剪断の変形を施して、バラつきを誇張してみました。この処理には、他の記事と同様に、独立成分分析を使っています。

ついでに目の子勘定で、プロットの点を青線でグループ分けしてみました。
まずはっきりわかるのが、

の密集具合。

そこから少し離れて、

が一つ突出した低い位置に。

大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))プライド 1 (クイーンズコミックス)NANA (1)舞姫 1―テレプシコーラ (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)きのう何食べた?(1) (モーニング KC)

こうやって見てみると、グラフ左下は女子ゾーンですね。

一方、左上もグループにまとまりそう。

ONE PIECE  1 (ジャンプコミックス)デトロイト・メタル・シティ (1) (JETS COMICS (246))よつばと! (1) (電撃コミックス)

この3作からすると、左上は男子ゾーンになるんでしょうか。

となると、真中を横に貫いている『聖☆〜』は、男女ともにOKな作品、ということになります。オサレかサブカルか、じゃなくて、女子も男子も、という呼び方の方が相応しそう。
正直なところ、やる前は もっと混在すると思っていて、ここまで はっきり 男子向けと女子向けが別れるとはまったく予想していなかったので、驚きました。
でも、もう一度最初のグラフを見直してみると、「ダヴ」寄りなのが『よつばと!』『DMC』なのに、『きのう何〜』『大奥』が『このマ』寄りになっていて、何だか変。
出版社の雰囲気からすると、男女・オサレサブカルが逆転している感じなんですが、一体、なぜなんでしょう? 

君に届け 1 (マーガレットコミックス)夏目友人帳 (1) (花とゆめCOMICS)3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

疑問は残しつつも、最後に控えしは、グラフ真ん中あたりの中庸グループ3作。

ということで、今回の結論。
自分のマンガ読みジャンルを広げてみたいけど勇気がない、引込み思案で臆病な、そんなあなたには、中庸グループの3作をどうぞ。

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