RDG レッドデータガール はじめてのお使い

男の子でも山の神

神社と学校を往復するだけを続けてきた泉水子。心機一転、髪を切り、引込み思案な性格を変えようと決意したことが切っ掛けなのか、昔いじめっ子、今 山伏の男の子、深行がやってきて――題名からは予想もつかない絶滅危惧種の巫女ファンタジー
ヒロイン泉水子の内向的な性格は、近頃改訂版が出ることになった『カラミティナイト』(高瀬彼方) *2の智美とは違った意味で、見ていてとにかくじれったくて、ついついキツい言葉を発してしまう深行の心情を察してしまいます。
周りの大人がきちんと情報を与えてくれない泉水子の境遇は、自分の立場を理解しないまま自分の弱さに悩む『風の海 迷宮の岸』(小野不由美) *3 *4の泰麒にちょっと思わせます。それだけに、自分の生き方を見つけたときの変貌ぶりが、泰麒が饕餮折伏するシーンにも似て、感動的。
カドカワ銀のさじは、『ヴィヴァーチェ 紅色のエイ』(あさのあつこ) *5も完結していません。発行ペースが3か月に1冊、とかだと嬉しいなあ。

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