スイート☆ライン

アロエリーナは聞くだけ

隣に引越してきた無口な女の子 永遠の男性恐怖症を克服すべく、正午は二週間を期限に同居することを決意し――彼女の決意に最後の一押しラブコメ
アイドル声優業界を舞台にした本作、最初は声優でなくてもいいのかな、と思いましたが、舞台俳優なら男性恐怖症を克服せずとも、天才一人芝居役者を目指せば良い、とかいうことになっちゃうかも。
狭い部屋に閉じ込められ、男女が入れ替わり立ち代わりマイクに近寄る というアフレコの《他人との近接度合の異常さ》を考えると、確かにこの設定なら男性恐怖症を直す必要がありそう。
天才声優としての片鱗をオーディションで見せた永遠ですが、そもそもオーディションに参加した時点で、問題を克服しようと、自分で踏み出していることになります。
解決策がわかっている状況で女の子が愚痴をこぼすときに、求めているのは、「〜すべきだ」と解決策を開陳することではなく、「大変だね」と受容してくれることだ、なんて話があります。
正午が果たしたのは、根拠のないまま「俺は味方だお前は大丈夫」と言い続けるだけで、地味に見えて実は一番重要な役割。
今巻では正午が永遠を見守る役割ですが、続刊では逆の立場になって、二人の関係が《親子》から対等の《恋人》に近付くかのような予告があります。楽しみ。

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