R-15 ようこそ天才学園へ!

あおぞら鈴音の新作は?

プロのポルノ作家として中学生デビューを果たした丈途は、その経歴を生かして一芸入試に合格、天才ばかりが集まる閃学園に入学するが、女子寮覗きの犯人と疑われ――原稿用紙に迸る赤い鮮血コメディ。
章と章の間には、丈途の妄想がポルノ小説の断章となって挿話されている本作。その断章を含め、丈途の作品にはポップスの歌詞として普通に使われそうな言葉を選んでいて、官能小説にありがちな特殊用語がほとんど出ていません。
フランス書院文庫というよりは、富士見ロマン文庫のような、古色蒼然とした印象を受けるんですが、後書きを読んで納得。著者は吉行淳之介派でした。
丈途が試みる金儲けの手段に、文学フリマ以前に開催された文芸同人誌即売会で、参加サークルの作家が即興で小説を書くというイベントがあったことを懐しく思い出しました。続刊の断章は、キャラをより一層具体的にしたものを希望。

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