まつもとゆきひろ コードの世界

本と化せわがコード

プログラミング言語Rubyの原作者による、各種の言語の蘊蓄や開発秘話、「日経Linux」連載の『まつもと直伝 プログラミングのオキテ』を加筆修正した一冊。
論文集の雰囲気で編集された『Beautiful Code』(Andy Oram, Greg Wilson) *2と、熱いパトスの迸りが感じられる『Rubyを256倍使うための本 邪道編』(arton)の、ちょうど中間辺りに位置する本書。エッセイ風の語り口の微温さは、一気に読み下すというよりは、ちょっと時間が空いたときやトイレ休憩時にちまちま読むのにいい感じ。
ところどころに、Rubyで○○にした/しなかった理由がインフォーマルに記述されていて、こういう裏話は論文調の本だと掲載されないので、大変参考になりました。現在のメイン開発言語は、rubyなんですが、スクリプト言語で手抜きを続ける理由が沢山記載されていて、C#に踏み出せなくなってしまった。
論理型言語への言及があんまりないところを見ると、通産省が音頭をとった第五世代コンピュータプロジェクトって、やっぱり筋が悪かったんだな、と思います。
現代魔法*3を自分の中で突き詰めたい人にお薦め。

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