神林長平+新世代作家トークショー

雪風バビューン

青山ブックセンターで開催された神林長平デビュー30周年記念イベントに行ってきました。
第一部は、「大学に入ってから読んだ」円城塔、「中高生で読み始め」桜坂洋、「雪風以外は作家になってから」辻村深月の三人が登壇。円城・辻村が作品から一歩引いた立場で見ているのに対して、作品にどっぷりつかった話題で攻める桜坂。一番多感な時期に、発行を待っては読む経験をしたかどうか、の差でしょうか。
作品論の桜坂、読書体験論の辻村に、円城が突込みを入れる形式の鼎談にしたら、もっと引き締まったかも。
第二部は、「小松左京に大作家と呼ばれた男」神林長平の登場。小松よりも入稿が遅かったがためにこの栄誉(?)を得た神林、11月発行予定の『神林長平トリビュート』用の短篇(締切は8月末)がまだ書き上がっていない円城・桜坂の三人に対して、短篇脱稿済みの辻村。さすが、優等生の苦悩をテーマに書き続けているだけのことはある、という感じ。
突き詰めて考える、という話題では、零からみた雪風*2の姿は、機械から見たヒトの姿の裏返しになっている、とか、電脳空間内だけで生きるヒトの思考は、機械の思考そのもののはずだ、とか、『膚の下』(神林長平) *3 *4は、ヒトじゃなくて機械のためのバイブルのつもり、とか。プログラムのデバッグのときに、言語処理系のエラーメッセージを、機械の気持ちになって考えてあげている自分が連想されて、超納得。
参加報告リンク集

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