小春原日和の育成日記

イナゴの足は歯茎に刺さる

貧乏アパートの管理人 祐介(高1)は、店子 日和(中3)の地味ななりを温かい目で見守る毎日。大人の女性になりたい、という切実な願いを日和から聞いた祐介は――頼りないヒギンズ教授ストーリー。
日和をお嬢様に仕立てあげるための上流階級マナーの蘊蓄の内容はかなりライト。この《入り口》感が、初々しい中高生カップルによくマッチしています。
内気なヒロインの精神的な支えになっているだけで、それ以外はあんまり役に立っていない祐介。『スイート☆ライン』(有沢まみず) *2の正午同様、炊事洗濯家事に長け、おさんどん少年の《内助の功》系で好み。
瞳を髪の毛で隠す内気なヒロイン日和に、『化物語』(西尾維新) *3 *4の撫子を思い出しますが、撫子が《二人の世界》を指向しているのに対して、日和はもっと外交的な自分を目指しているみたい。日和が目指すお嬢様学校も、良妻賢母というよりは、専制君主の闘気をまとった女王を育てる雰囲気です。
甲子園を目指すタッちゃんよりも、連れていって欲しい南に共感したい男の子にお薦め。

><