砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet

yomimaru2004-11-13

bk1

ヒッキーの兄を養うための実弾が欲しいなぎさ。自分は人魚だと言い張る転校生藻屑は砂糖菓子の弾丸を撃っている、と読み解く兄の言葉に、なぎさは不吉な予感を―― 周囲に反発しつつも依存せずには生きられない十三歳の少女達の閉塞感を描く中篇です。
本作は、推定少女*2から赤×ピンク*3へ延ばした線をさらに5倍進んだ先に位置します。その意味で、読者をかなり選ぶような気がします。黄金期のぶ〜けっぽい話、たとえば、空の色ににている(内田善美)*4とかスウェード・キルシュ(白倉由美)*5とか記憶の技法(吉野朔実)*6あたりが好きな人向きかも。
海野藻屑っていつか猫になる日まで(新井素子)*7でしたっけ? それから「実弾」って言い方はやっぱりオヤジくさいと思います。