BG、あるいは死せるカイニス

女装する女の男スイッチとは
著:石持浅海 画:ヨシツギ 創元推理文庫*1

男性化は確実と噂されていた姉 優子が深夜の学校で殺された。遙は、彼女が遺した言葉「BG」と犯人との関わりを探るが――男女比1対3の性転換世界ミステリ。
題名が似ているせいか、『信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』(宇月原晴明) *2と混同してました。片や性転換、此方両性具有、とテーマも似てるし。
魚の性転換が比喩に使われていて、本作の設定は『ファインディング・ニモ*3の主人公でもあるクマノミとは逆で、雌性先熟。生まれたときはすべて女性、一旦妊娠・出産した後に、優秀な者のみが自然に男性化するという形態は、魚だと結構あるんですね。
本作や『大奥』(よしながふみ) *4と、『東京島』(桐野夏生) *5では、同性カップルOKな雰囲気どうかが違います。これは、男女比の開き具合に依存するのかな。1対3ぐらいだと、それなりに異性がいるので、同性愛OKの方向じゃなくて、『疾走れ、撃て!』(神野オキナ) *6の海軍みたいに、女が男を堂々と襲う世界になるのかも。

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